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月刊『センチュリー』取材日記

人の口に戸板は立てられない

「人の口に戸板は立てられない」という諺がありますが、一般的には悪い噂を立てられないよう身を慎むという意味で使われます。それを逆手に採るのが、口コミによる自社のアピールといったところでしょうか。
『国際ジャーナル』では中小規模の企業や商店を訪ね、経営者の皆様の人となりやお仕事に対する姿勢をインタビューさせていただきますが、多くの方が口コミを巧く利用した商売をされています。つまり、決して立てられない戸板は立てず、人の口による良い噂を流してもらおうというわけです。何か困った時、思い立った時、自分に充分な経験や知識、情報がない場合、周囲の人に質問をすることが少なくありません。そして尋ねられた方はというと、自分の経験則によるアドバイスや回答を行うわけです。これは実体験に基づくだけに、様々なメディアを使った広告・宣伝よりも効果が高い。故に皆さん、今のお客様を大切にし、満足される対応を常に心掛けることで、新たなお客様を獲得しようと努力されています。

現在、羽振りの良い企業や商店も、かつては皆、そういった姿勢を本当の意味で大切にしていた。少なくとも形骸化はしていなかったのでしょう。しかし業績が伸びる、或いは規模が大きくなると昔を忘れてしまうことも多いようです。実際、食品偽装などで新聞やテレビを賑わせた人達は、お客様という大切な存在を蔑ろにしているように思います。

何事においても初心を大切にしたいですね。
by nlwriter | 2008-05-26 14:53
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